音楽・民族音楽という語に含まれる「民族」とは、ethnicという英語に集約されるように(語源であるエトノスという語は、古代ギリシアにおいて周縁的な人々を指した。詳しくは民族の項を参照)、ヨーロッパ人が自分たちの作り上げた近代文明国家に対しての他者という意味で用いた語である。植民地主義全盛の19世紀、植民地研究が盛んに行われたが、民族音楽という概念もそのような文脈から生まれて来たのである。

その結果、歴史的には、ヨーロッパから見て他民族の音楽が民族音楽と呼ばれてきた。他方で、ベラ・バルトークのように自国の民族音楽の掘り起こしも行われ、それが新たな創作の基盤となった例もあります。

中高年の音楽は、(マンダ教徒などを除けば)、およそあらゆる民族が持っているものであり、人間の文化には不可欠かどうかはともかく、あらゆる文化圏に於いて、それなりの音楽が存在すると広く信じられている。

こうした主張は音楽人類学者のジョン・ブラッキングやアラン・メリアムらによって広められたものであるが、近年ではアメリカや日本のろう者の間で、自らを少数民族と位置づける論調もあり、しかも彼らは(一切音響を用いない手話歌はともかく)一般的な意味においての音楽を排除する傾向にあることから、「あらゆる民族が音楽を持っている」という信念には疑問符も付けられている。

この民族音楽についての話は、ひそかに中高年の間では流行っております。


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